VUCA時代 バスケットボールから学べるライフスキル 問題解決編
今回はバスケットボールから学ぶことのできるライフスキルを紹介していきます。
この記事を読むと
①VUCA時代、ライフスキルについて知ることができる
②バスケットボールから何を学べるか
③コーチや先生、保護者などが子どもたちとどのように関わるべきか
新型コロナウイルスの影響により、東京都は緊急事態宣言が発令されました。
昨年の4月同様バスケットボールができない時期がやってきたのですが、それでもバスケットボールを求めるのはバスケットボールが本来持つ何かしらのエネルギーがあるからだと信じています。
さて今回はバスケットボールの持つ教育的価値とその引き出し方のヒントになるかもしれません。
VUCA時代とは
まずVUCA時代とはビジネスの世界でよく使われますが何もかもが大きく変動し、今までの常識が通用しなくなる時代と言われています。
10年後には今ある職業の約半分近くが機械に変わるなんて話もありますね。
野村総研
https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2015/151202_1.pdf
こんなにも物事が多様化し、複雑で正解が一つではない時代にバスケットボールを通じて何を学ぶことができるのでしょうか。
既に文部科学省に載ってましたので見ていきましょう。
WHO(世界保健機関)は、どの時代、どの文化社会においても、人間として生きていくために必要な力があるとし、それをライフスキルと定義した。
「ライフスキルとは、日常生活で生じるさまざまな問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するために必要な能力である。」
(World Health Organization;Life Skills Education in Schools 1994より引用)
(1) |
意思決定(Decision making) |
生活に関する決定を建設的に行う力。様々な選択肢と各決定がもたらす影響を評価し、主体的な意思決定を行うことにより望ましい結果を得る。 |
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(2) |
問題解決(Problem solving) |
日常の問題を建設的に処理する力。 |
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(3) |
創造的思考(Creative thinking) |
どんな選択肢があるのか、行動の結果がもたらす様々な結果について考えることを可能にし、意思決定と問題解決を助ける。直接経験しないことを考える、アイデアを生み出す力。 |
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(4) |
批判的思考(Critical thinking) |
情報や経験を客観的に分析する能力。価値観、集団の圧力、メディアなど、人々の態度や行動に影響する要因を認識し、評価する力。 |
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(5) |
効果的コミュニケーション(Effective communication) |
文化や状況に応じた方法で、言語的または非言語的に自分を表現する能力。意見・要望・欲求・恐れの表明やアドバイス・援助を求めることができる。 |
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(6) |
対人関係スキル(Interpersonal relationship skills) |
好ましい方法で人と接触・関係の構築・関係の維持・関係の解消をすることができる。 |
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(7) |
自己認識(Self-awareness) |
自分自身の性格、長所と短所、欲求などを知ること。 |
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(8) |
共感性(Empathy) |
自分が知らない状況に置かれている人の生き方であっても、それを心に描くことができる能力。共感性を持つことで、人々を支え勇気づけることができる。 |
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(9) |
情動への対処(Coping with emotions) |
自分や他者の情動を認識し、情動が行動にどのように影響するかを知り、情動に適切に対処する能力。 |
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(10 |
ストレス・コントロール(Coping with stress) |
生活上のストレッサーを認識し、ストレスの影響を知り、ストレスレベルをコントロールする。ストレッサーに適切に対処し、リラックスすることができる。 |
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/003/010/009.htm
これはバスケットボールの指導本でしょうか?いいえただのライフスキルです。
バスケットボールをやれば、どの時代、どの文化社会においても、人間として生きていくために必要な力を得れるということでしょうか?
何か少しでも参考になれば幸いです。
問題解決能力
チームとして試合に勝ちたい、オフェンスを機能させたい、ディフェンスの失点を抑えたい
個人として成長したい、点をとりたい、リバウンドを増やしたい
無数にありますね。
理想と現実とのギャップが問題であり、それを解決する
至ってシンプルですがバスケットボールは常にその作業の連続です。
それでは選手たちが問題解決をするためにはコーチはどのようなアプローチができるのでしょうか?
問題解決能力の養い方
エルトラック代表鈴木良和さんが以前クリニックで話していた内容で非常に考え深いものがあって
とういものがあります。
ヨーロッパのどこかは忘れてしまいましたがとあるチームのコーチは練習がうまくいっていないのに止めることも修正することもせず次のメニューへとどんどん進めて行くそうです。
皆さんはなぜだと思いますか?
答えは「コーチが問題を解決することではなく、問題を解決する能力を育てる」というのです。
イメージとしてはハードル走でハードルをコーチが倒してあげる作業ではなく、ハードルを置いていくような感じです。
ついつい日本でのコーチされている方はこれはこうだよと教えたり、時には一方的に怒鳴ったり…
(もちろん違ったアプローチをされているコーチの方々もたくさんいます)
これではバスケットボールが一瞬上手くなってように見せることはできますが、実際は選手が考えて問題を解決しようとしている貴重な機会を奪い、誰かに依存した生き方を選ぶこととなるでしょう。
時には選手が選んだ答えが判断基準としては間違えてしまう時もありますがそれも正解なのかもしれません。
まさにVUCA時代、不確実な社会で生き抜くためのスキルとも言えます。
ただし選手もやはり知識や経験がないとわからないと考えるのを放棄する場合もあります。
そんな時はサポートしてあげることも必要です。
サポートが必要な選手にはどのように接すると良いでしょうか?
質問の仕方
先ほどの内容では声をかけないことが正解かのように見えてしまったかもしれませんが、正しいタイミングと言葉で声をかけることは必要です。
質問をすることにより、子どもたちは考える機会を得ることになります。
つまり声かけのタイミングとしては考えることをしていない選手へのアプローチとなりますね。
もちろんこちらから見た際は何も考えていないように見えることもありますが、選手もこう思っていたという時もあります。
その際に質問の形式がなんで? なぜ?ばかりだと答える側は言い訳っぽい言葉が返ってきがちですし、これでは問題を解決するよりは質問者の正解を言わされてしまいます。
〜どうしたい?どうやったら〜?と「HOW」形式にすることでポジティブな会話をすることができます。
質問の力で子供たちの考える力を引き出していけると良いですね。
まとめ
バスケットボールから学ぶことのできるライフスキルを紹介していきました。
問題を解決してあげたいコーチ非常に多いと思いますが、こういった考え方もあるというのを知っているだけでも幅が広がると思います。
皆さんはどのような考えを持っていますか?
きっと正解は皆さんの中にあります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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